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人口密集地への巨大パラボラ乱立に猛反発
スカパーが東京・江東区で建設進める
(OhmyNews 2008年3月9日)
「スカパー巨大アンテナに反対する住民の会」が主催する大集会が3月2日、江東区教育センターで開催された。約160人という大勢の参加者がつめかけ、電磁波問題に対する関心の高さを示した。同会は、東陽町の住民を中心に結成され、株式会社スカイ・パーフェクト・コミュニケーションズ(以下、スカパー)によるパラボラアンテナ設置に反対する団体である。
人口密集地に多数の巨大パラボラ
スカパーは東京メトロ東陽町駅から徒歩5分の場所にスカパー東京メディアセンターを建設する計画を進めている。屋上に直径約7〜8メートルの巨大なパラボラアンテナを12基、直径約4メートルのパラボラアンテナを6基設置する計画である。
建設地の真向かい30メートルの至近距離にはマンションがあり、周辺には集合住宅やオフィスビルが林立する。そのような人口密集地でのパラボラアンテナ設置により、近隣住民は電磁波を24時間浴びる環境になり、人体のみならず精神に悪影響を与えるため、アンテナの設置を中止すべきと、同会は主張している。
同会が提訴や区議会への陳情、署名活動などを展開する一方で、スカパー側は工事を進め、既成事実を作ろうとしている。しかし、集会に160人もの参加者が集まるという事実は、反対運動の広がりを物語っているのではないだろうか。
建設の差し止め求めて訴訟も
最初の代表あいさつでは、門川淑子代表が状況を報告した。近隣住民らは2007年1月19日にスカパーに対し、アンテナ設備建設の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしている。今年1月28日に7回目の口頭弁論が行われた。また、東陽二丁目町会会長が江東区議会や東京都議会に陳情を提出した。
巨大パラボラで電磁波の危険は!?(写真はイメージ、ロイター)
続いて、5人からなる原告弁護団による解説があった。代表して高木一昌弁護士が、「スカパー裁判のこれまでと今後」と題し語った。
高木弁護士の説明によると、スカパーのパラボラアンテナ設置で、周辺に生活している人は不利益を被る。電磁波は人体に悪影響を及ぼすため、健康・安全に毎日を暮らしていく権利が侵害される。スカパーの経済的利益のために、人として生きていく権利が脅かされる。これが差し止めを求める根拠である。
他にも、被侵害利益として精神的苦痛、日照・景観の阻害、嫌悪施設ができることによる資産価値低下が、差し止めを求める根拠に挙げられている。
同弁護士はまた、スカパーの問題は、住民の権利を侵害する実体面だけでなく、「住民に対する姿勢」という手続き的な面にもあるとする。つまり、住民とスカパーの間に話し合いと呼べるものはなかった。理解を求める努力をせずに事業を進めようしている。話し合いのコミュニケーションがないまま、工事だけが進んでいる。
アンテナの電磁波は危険か?
不誠実な姿勢は裁判手続きにおいても現れている。裁判において原告弁護団は被告側に求釈明(説明を求めること)を行ったが、スカパー側の回答は具体的内容ではなく、人を喰った回答ばかりであった。
例えば「東陽町以外の場所にメディアセンターを建設することは検討しなかったのか」という問いには、検討場所として複数の地名を挙げるのみで、具体的な地番や検討内容、選ばれなかった理由を開示しない。原告弁護団としては不十分な回答に対しては再度、求釈明を行うが、「裁判の中でもスカパーの対応には問題があることを心にとどめて欲しい」と強調した。
裁判の争点は、「パラボラアンテナが発する電磁波は人体に悪影響を及ぼすか」である。弁護団はこの点について、国内はもとより世界各国の研究結果を入手して立証を続ける方針とする。
スカパー側は「電波防護指針」を下回っているから問題ないと主張するが、日本の電波防護指針は先進諸国の基準に比べて緩い。しかも電波防護指針は熱効果を念頭に置き、生理的効果や免疫系やガンなどの非熱効果による健康影響の予防を考慮していない、と弁護団は主張する。
殻に閉じこもるスカパーと建設会社
弁護団の説明のあと、出席した江東区議会議員が紹介された。斉藤信行、前田かおる、薗部典子、中村まさ子の各議員が紹介され、代表して斉藤議員があいさつした。斉藤議員は区議会建設委員会の委員長で、建設委員会ではスカパー問題の陳情を審議中である。
斉藤議員は、自らをスカパーとメディアセンターを施工する竹中工務店に憤りを感じている1人、とする。建設委員会で建設現場を視察したが、両者は係争中であると主張して議員を現場に入れさせず、説明もしなかった。仕方なく、隣のマンションから視察したという。
また、両者に電話で連絡したが、「責任者は留守」「社長は不在」の一点張りで、伝言を残しても連絡は皆無であった。2008年2月1日には委員長名で両者の社長宛に文書で申し入れをしたが、何の音沙汰もない。区民の代表である区議会さえ、ないがしろにする対応である。
ただ、住民の戦いが両者を追い詰め、殻に閉じこもらざるを得なくなっているとも言える。斉藤議員は、「皆さんの戦いは地域住民の健康を守るだけでなく、電波行政にも影響を与え、各地の戦いの励みにもなる。共に頑張りましょう」と結んだ。
専門家が指摘する電磁波問題
続いて、荻野晃也・電磁波環境研究所所長(理学博士)が「電磁波による健康への影響について」と題し講演した。荻野博士は、最初にメディアセンターの建設現場を見て、「このようなところに、何でパラボラアンテナを作るのか」と悲しい気持ちになったという。また、「健康とは何かということを理解して欲しい」とも語った。世界保健機関(WHO)は健康をこう定義している。
「身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に病気あるいは虚弱でないことではない(Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.)」
荻野博士は、つまり健康には精神的・社会的に良好な状態も含まれ、現実にパラボラアンテナが稼動して電磁波が発信され、ガンや小児白血病にならなくても、現在の状態でもスカパーは周辺住民を不健康にしていると主張する。
電磁波の健康被害については、世界中の研究成果をもとに考えられるさまざまな問題を指摘した。

  • 電磁波の人体の影響には熱効果と非熱効果がある。規制は熱作用のみを対象とされがちだが、近年の研究では熱作用を起こすレベルよりも低い電磁波レベルで、さまざまな生体への影響が出ることが明らかになっている。
  • 電磁波は大人よりも子どもに悪影響を及ぼす。携帯電話の電磁波が大人の頭よりも子どもの頭の方をはるかに深く貫いていることを示した研究がある。
  • 世界各地の疫学研究で、放送や携帯電話のタワー周辺で白血病やガンが増加することが確認されている。
  • スペイン北部のバラドリッドでの調査によると、携帯電話のタワー周辺のコウノトリの巣ではヒナがいない巣が急増する。
  • 電磁派に過敏な人が増加している。電磁波で免疫機能が低下し、心臓圧迫、ストレス、精神不安、頭痛、睡眠不足などを引き起こす。
  • このほか、質疑応答でもパラボラアンテナ設置による悪影響について指摘された。
  • パラボラアンテナが地震や災害で倒壊する危険性がある。アンテナは軌道上の人工衛星と通信するが、アンテナが倒壊すれば住民に向かって強力な電磁波が放射されることになる。
  • 電磁波が天空に向かって放射されるということは、付近のマンションを高層化することが難しくなり、資産価値を低下させる。


  • 集会では、最後に原告団長から集会決意が読み上げられた。スカパーは自社の経済的利益のために住宅密集地にパラボラアンテナを建設しようとする。原告団は勝利するまで戦うことの責務を感じている。戦いは容易ではないが、多くの力を結集すれば勝利は可能である、と。
    【参考サイト】
    スカパー巨大アンテナに反対する住民の会 公式ホームページ
    東京都議会都市整備委員会速記録第八号(東陽2丁目町会会長による陳情)

    (2008年03月9日17:00 林田 力)
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