電磁波公害関係年表
1960~1979年 1980~1989年 1990~1999年 2000~
2000年
海外での電磁波公害問題 年号 日本での状況
イギリス 子供のケータイ使用制限、基地局設置許可規制の方向
携帯電話の健康への影響につき英国政府の諮問を受けた専門グループの答申を受けて英保健省は答申に沿って対応する方針を表明している。答申報告書は「有害性を示す明確な証拠は無いが、脳その他身体機能に微妙な影響を及ぼす可能性有り、潜在的な危険性を完全には排除できない。」読売'00.5.12
2000 ケータイの最大出力の日欧差 携帯電話の最大出力は欧州諸国では2ワットであるが日本では0.8ワット。郵政省電波環境課「日本の携帯電話の平均出力は0.27ワット、PHSは0.01ワットで問題ないレベルに抑えられている。」と。 読売'00.5.12 (左のイギリスの記事関連)
米国 ケータイを84センチ以内で使用すると電子機器が誤作動
ミネソタ州の医療機関は医療現場で17機種のケータイを526回使用し、近傍の医療機器に悪影響が起きないか実験した。心肺機能監視装置に何らかの影響を与えた例は7機種。データ混乱や機器の誤作動は7.4%の頻度で発生。約1.5メートル以上離れて使用しても大問題は起きないが、84センチ以下での使用は監視装置でデータの乱れが起こり、約5センチ以下での使用では人工呼吸器が停止する例があった。
2001 3月22日 総務省 ケータイの電波強度に上限設け、メーカーに義務化
新「電波防護規則」は体重1kgに対して2ワットの出力までの電磁波量という基準に従って端末を製造し、それを証明する義務を負う。朝日'01年3月22日
(関連)上記規則はWHOの見解に従ったもので、人体の側頭部が吸収する電磁波の量を制限する。市民団体などから米国流に1.6ワット基準の要望に対しては、WHO見解は科学的知見に基づくと見て2ワットを採用。埋め込み型ペースメーカーについて特に記載なし。毎日'01.5.16

10月28日 国立環境研究所 (つくば市) 磁界によってメラトニンの働きが阻害
メラトニンは睡眠などの生体リズムを司るホルモンで、ガン細胞増殖抑制作用を持つという「メラトニン仮説」が87年提唱され各国で研究が続いている。今回の実験には海外先例が4件ある。この実験は細胞実験なので人体への影響はなお研究課題。まず磁界感受性のある人体がん細胞「MCF7」に人体と同じ濃度のメラトニンを加えガンの増殖が抑制されることを確認。同条件で日常生活と同レベルの1.2~4μT(マイクロテスラ)、やや強い100μTの磁界に入れた。どの場合もメラトニンが細胞の中で抑制力を低下させ、濃度によっては消失する例もあった。メラトニンのガン抑制情報は、(1)細胞膜の受容体(2)Gたんぱく質(3)酵素 の3伝達因子による。連結部が遮断されると情報が伝わらない。石堂研究員「ガン抑制作用が阻害されるメカニズムも判明、マウス実験につなげたい。」と。朝日'01.10.28
8月 スウェーデン ガン研究者レンナルト・ハルデル博士アナログ式ケータイ
「スウェーデンにおいて旧式のアナログ式ケータイを使用していたヒトは、そうでないヒトに比べて脳腫瘍ができる率が30%高かったことがわかった。旧式を10年以上使用した場合は80%高い危険率。ケータイ端末が接触する側の頭部に特に発症した」と。『ユーロピアン・ジャーナル・オブ・キャンサー・プリベンション』誌8月号に掲載。なお日本ではアナログ式ケータイは使われていない。WIRED NEWS'02.9.12
2002 11月 ケータイ大手4社 ケータイの電磁波が人体に及ぼす影響について共同検討
ドコモ、KDDI、J-フォン、ツーカーセルラーの4社は4年後を目処に結果公表したいとしている。電磁波の人体影響については、国立環境研と国立ガンセンターの研究班が8月高圧送電線から等の低周波電磁波で小児白血病発症倍増可能性を指摘している一方、総務省生体電磁環境研究推進委員会は'01年1月「ケータイによる健康への影響はない」との中間報告をまとめており、見解が分かれている。
10月 米国 メリーランド州ボルテイモア 「ケータイで脳腫瘍」訴訟
米国モトローラなどを相手取って起こされた総額8億ドルの訴訟事件で、キャサリン・ブレーク判事は証拠不十分として原告の訴えを門前払い。同判事「携帯電話から電磁波がガンを起こす証拠はあるが、多くの研究は電磁波と脳腫瘍との関連を認めていない」と。
  2003 1月 文部科学省 全国疫学調査一部発表
高圧送電線などから出る超低周波電磁波(電磁界)と健康の関係を調べる全国疫学調査によると、昨年夏に小児白血病の発症率増加が確認されたが、新たに「急性リンパ性白血病」に集中して影響していることが分かった。
15歳未満の患者と比較対照のための健康な子供合計約2000人を対象に、子供部屋の磁界の強さ、送電線からの距離などを調べた。磁界強度が日常環境の約4倍にあたる0.4マイクロテスラー以上の磁界環境では、発症率が2倍以上に増えることが確認された。一方「急性骨髄性白血病」の発症率と磁界との関連は見られなかったが、小児脳腫瘍と電磁波の関連では発症率の増加が見られた。朝日'03.1.29.
1月30日 IH式電気炊飯器が植え込み式心臓ペースメーカーを誤動作させた事例
厚生労働省に園事例が報告され、同省は30日、医薬品・医療用具等安全情報で注意を呼びかけた。本件、ペースメーカーの定期検査で設定がリセットされていたので、メーカーが調査したところ、60歳の当の女性がIH式炊飯器に近づいたときに起きたことが分かった。ペースメーカーの添付書類にはIH式炊飯器に関しては、離れるか、使用中止してから近づくように記載されているが、同省は健康被害は生じなかったが、再度注意を呼びかけた。毎日'03.1.30
6月6日 文部科学省ホームページで電磁波が子供の脳腫瘍リスクを高めると
1999年度から3年で進めた国内初の全国調査で、国立環境研究所や東京女子医大などがまとめた。脳腫瘍の対象15歳未満、健康約100人、患者約60人。子供部屋の電磁波を1週間測定。家庭全体の電磁波の強さの平均値、家電製品の使用状況、部屋から屋外送電線までの距離などを加えて統計処理、この結果超低周波電磁波が通常の3倍以上に相当する0.3マイクロテスラ以上の部屋で暮らす子供は、発症リスクが平均で約10倍になった。
また患者5人と健康1人の合計6人の各部屋が0.3マイクロ以上だったが、この内3人の患者の各部屋は100メートル以内に高圧送電線があった。共同'03.6.6
  2005 3月27日 第3世代ケータイ 基地局周辺で健康被害 「電磁波問題市民研究会」
「研究会」の調査によると第3世代ケータイ(3G)が増え始めた02年頃から基地局急増に伴い、住民とケータイ電話会社の間でトラブルが200件以上42都道府県で発生しているとのこと。
総務省移動通信課によると昨年末基地局は全国に85、792局有り、国の規制は無いので盛岡市などが条例で規制するのみとのこと。同省は基地局のマイクロ波に関して「環境健康基準値内であり人体への問題は無い。」としているが、研究会は、長期被爆の充分な研究データがなく、フランスやオランダでは人体への影響を示す研究が報告され、WHOも'08年ごろを目処に新基準値を発表する予定であるとしている。
荻野晃也(元京都大学講師「電磁波環境研究所」所長)氏 国際ガイドラインの基準は短時間内の影響
3Gのマイクロ波は自然界に存在しない種類で危険性高い。予防原則の立場で法規制必要。
(毎日)3Gの基地局は形状は第2世代までと同じだが、放射される周波数は第1、第2世代が0.8ギガヘルツ帯と1.5ギガヘルツ帯であるのに対して3Gは2.0ギガヘルツ帯とより強力になった。毎日'05.03.27
  2006 7月25日 WHO(世界保健機構)が初の国際基準 新聞記事
WHO本部は電磁波に関する初の本格的国際基準を「今秋にも公表し、加盟各国に勧告する。」「電磁波による健康被害は現時点では断言できないが、発ガン性について、0.3~0.4μT(マイクロテスラー)、(30センチ離れたテレビから受ける最大電磁波の5分の1程度)以上の電磁波に常時さらされ続けると、小児白血病発症率が2倍になるとする米、日研究者の調査結果を引用、「予防原則」の考え方に立ち、対策先行への転換を促す。」
具体的な数値基準は、「国際非電離放射線防護委員会(本部・ドイツ)」が1998年に策定した指針

制限値 = 周波数50ヘルツで100μT以下
  周波数60ヘルツで 83μT以下

を「採用すべき」とし、日本など制限値を設けていない国に、この指針を採用するよう勧告する。各国の事情に応じ、送電線などの建設の際は産業界、市民のとの協議を求め、対策例として送配電線の地下化や遮蔽設備の設置等を挙げている。
環境ホルモンやダイオキシン問題などを機に、欧州では環境政策の主流は予防原則になりつつあり、政府・産業界と国民との間の情報共有がそれを支えている。読売'06.1.12
7月25日 電車内でのケータイの電源オフは優先席付近だけでいいの? 東北大理学研究科
25日から電子版で公開される日本物理学界の英文誌に発表される。電車内に類似した金属コンテナ内で、無線機から電磁波を発生させ、距離を変えながらその強さを測定した。電磁波が極端に高くなる場所では、通常発信源から11センチ離れた場所で感知する強度の電磁波が距離4.6メートルで感知された。ドアを開けたエレベーター内でも類似の結果が出た。
総務省は心臓ペースメーカーに影響を与えないケータイとの距離は22センチ以上としているが、上記研究者は「総務省は金属の壁や天井で電磁波が反射する電車内の環境を想定していない。」と語る。総務省電波環境課は「窓がある電車内ではそれほど強まらないという別の実験結果もあり、参考にしたい。エレベーターについては、詳細な検討を計画している。」と。読売新聞'06.7.25
海外での電磁波公害問題 年号 日本での状況

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